2006年 02月 17日
House of Commons -- Defence Committee |
授業でのプレゼンもほぼすべて終わり、少し時間的な余裕が出てきたのでまたいろいろとイベントに参加しています。今回はHouse of Commons Defence Committee(下院国防特別委員会)のメンバーとキングス・カレッジのDept. of War Studies(戦争研究学部)の教官によるパネルディスカッションに行ってきました。
国際政治や安全保障の分野では同じくロンドン大学でLSE Dept. of International Relations(国際関係学部)が知られていますが、どちらかといえば理論・研究志向が強いといわれるLSEとは対照的にDept. of War Studiesはあくまで実務志向。今回の参加者の教授(フリードマン、クラーク、ギアソン)はいずれも対テロ・非対称戦争の専門家で、国防省や国防委員会などに専門家として勤務経験があります。また、War Studiesでは英国国防大学(JSCSC)の教官をフルタイムで兼務している教授も多数います。日本でも学者が政府の委員会や諮問会議にパートタイムで出席したりすることはありますが、英国の場合、フルタイムの出向(secondment)という形できちんと給料が支払われ専門の調査スタッフを与えられる点が異なります。学者にとってはより政策形成に近い場所で働けるということで将来の研究に有意義であり、大学(というかDept. of War Studies)にとっては国家の役に立つということで名誉にもなり、政府や議会にとってもより客観的に物事を見られる専門家を利用できるという点でみんながハッピーなよいシステムだと思います。教授本人が英国の国防政策に関して客観的でいられるか、という点が難しいのかもしれませんが。
さて、今回のパネルディスカッションは6:00PM開始の予定だったので、5:30PM頃に国会議事堂のSt. Stephen’s Entranceにてクラスの友人と待ち合わせしました。さすが英国の国家中枢ということもあり、国会議事堂の中に入るには厳重なセキュリティーチェックがあります。詳しくは書きませんが、空港の搭乗前のセキュリティよりも厳しいといったところでしょうか。二年前に来たときよりも厳しくなっていて、建物の周囲には武装警官が多数巡回しています。
英国の国会議事堂は、開会中は原則として一般公開されているので、ロンドン観光の際に見学で行ったことがある方も多いと思います。下院の大会議場を見学する方が多いと思いますが、委員会も公開されているものは見学できます。
国会議事堂の建物の中は独特の雰囲気があります。建物は全体的に天井が高く(だいたい3~5階建て相当の高さ)、あちこちに彫刻や絵画が飾られています。特に夜は照明も暗いので、全体として陰鬱な印象です。ステンドガラスなどもあちこちにあり、教会のような感じです。広大な廊下を歩いているだけで英国の歴史が伝わってきます。
委員会フロアの廊下。通常見学者が通る教会風の1Fとは異なり、ちょっと古めのガバメントオフィスといった印象です。ただし、審議中の部屋の前には警官が立っているあたりが普通のオフィスではないことを示しています。ちなみに英国議会は深夜まで仕事をすることで有名で、零時過ぎまで明かりがついていることがよくあります。
今回のパネルディスカッションは実際に国防委員会が開催される下院の委員会フロアの委員室で行われました。これは委員室の中の様子。独特の対面式のレイアウトとなっています。右手の壁際が委員長席です。全体としてはどちらかといえば窮屈な感じですが、英国の国防政策が審議される重要な部屋です。
パネルディスカッション中の様子。Chatham House Ruleという、英国独特の発言ルールでディスカッションが進められます。これは、ディスカッション中の発言は外部公開されないという原則で、政府など重要な役職にある人が自由に意見を述べることができるようにするためのものです。
参考までに、委員会で使われている椅子です。Portcullis(鉄門)は英国議会のロゴです。(1ペンスコインのデザインでもあります)議員は全員これに座ります。意外と質素ですが、パッディングが厚く座り心地は見た目よりマシです。
以上、House of Commonsについてでした。
国際政治や安全保障の分野では同じくロンドン大学でLSE Dept. of International Relations(国際関係学部)が知られていますが、どちらかといえば理論・研究志向が強いといわれるLSEとは対照的にDept. of War Studiesはあくまで実務志向。今回の参加者の教授(フリードマン、クラーク、ギアソン)はいずれも対テロ・非対称戦争の専門家で、国防省や国防委員会などに専門家として勤務経験があります。また、War Studiesでは英国国防大学(JSCSC)の教官をフルタイムで兼務している教授も多数います。日本でも学者が政府の委員会や諮問会議にパートタイムで出席したりすることはありますが、英国の場合、フルタイムの出向(secondment)という形できちんと給料が支払われ専門の調査スタッフを与えられる点が異なります。学者にとってはより政策形成に近い場所で働けるということで将来の研究に有意義であり、大学(というかDept. of War Studies)にとっては国家の役に立つということで名誉にもなり、政府や議会にとってもより客観的に物事を見られる専門家を利用できるという点でみんながハッピーなよいシステムだと思います。教授本人が英国の国防政策に関して客観的でいられるか、という点が難しいのかもしれませんが。
さて、今回のパネルディスカッションは6:00PM開始の予定だったので、5:30PM頃に国会議事堂のSt. Stephen’s Entranceにてクラスの友人と待ち合わせしました。さすが英国の国家中枢ということもあり、国会議事堂の中に入るには厳重なセキュリティーチェックがあります。詳しくは書きませんが、空港の搭乗前のセキュリティよりも厳しいといったところでしょうか。二年前に来たときよりも厳しくなっていて、建物の周囲には武装警官が多数巡回しています。
英国の国会議事堂は、開会中は原則として一般公開されているので、ロンドン観光の際に見学で行ったことがある方も多いと思います。下院の大会議場を見学する方が多いと思いますが、委員会も公開されているものは見学できます。
国会議事堂の建物の中は独特の雰囲気があります。建物は全体的に天井が高く(だいたい3~5階建て相当の高さ)、あちこちに彫刻や絵画が飾られています。特に夜は照明も暗いので、全体として陰鬱な印象です。ステンドガラスなどもあちこちにあり、教会のような感じです。広大な廊下を歩いているだけで英国の歴史が伝わってきます。
委員会フロアの廊下。通常見学者が通る教会風の1Fとは異なり、ちょっと古めのガバメントオフィスといった印象です。ただし、審議中の部屋の前には警官が立っているあたりが普通のオフィスではないことを示しています。ちなみに英国議会は深夜まで仕事をすることで有名で、零時過ぎまで明かりがついていることがよくあります。
以上、House of Commonsについてでした。
by snb03277
| 2006-02-17 22:09
| キングス・カレッジ