2006年 05月 25日
Entrances to Parliament |
今日もビッグ・ベンの続きです。今日は、Houses of Parliament(Palace of Westminster=国会議事堂)の様々な「入り口」について。
英国は言うまでもなく議会制民主主義の誕生の地。このHouses of Parliamentに集う英国機会も"Mother of Parliaments"(「議会の母」)と呼ばれることがあります。しかし、英国の場合、必ずしも民主主義=平等ではありません。このHouses of Parliamentでも、それぞれのステータスによって入り口がいくつかに分かれています。
まずは、昨日の記事で取り上げたVictoria Towerの正面にあるSovereign's Entrance。国王専用の入り口です。当然ながら英国国王以外は通ることは許されません。
門の両脇には黄金の旗を抱えたライオン。
このように、通常は頑丈な鉄の門が硬く閉ざされています。この入り口は、現在ではエリザベス女王による議会の開会式の時のみ使用されています。
門の奥にある扉のアップ。王室の紋章、貴族院(上院)の紋章であるバラ、下院の紋章であるportculllis(落とし門)、ライオンや狼など王室にかかわる動物の煌びやかな飾りが交互に埋め込まれています。一般市民はおそらく一生近づくことができない扉です。
続いて、Peers' Entrance。Peer(貴族院議員)という名前がついていますが、明らかに閣僚の公用車と思われる車が待機しているので、閣僚なども利用しているようです。なお、一般議員は近くの議員会館(Portcullis House)などから徒歩で入る人が多いようです。車で登院する議員や職員はビッグ・ベン前の門から地下駐車場に入ります。
新聞などでもよく取り上げられますが、英国の閣僚はジャガー・BMW・ベンツなどを公用車として使用している人が多いようです。一方で、時代を反映してプリウスを使っている人もいるそうです(たしか環境大臣)。ちなみにこのプリウス、シートは革張りの豪華(?)仕様でした。
Peers' Entranceから出てきた、特別見学者と思われる老夫婦。入り口脇ではSO17の警官が警戒しています。ロンドン市内では、この他にもSO16、SO14などいくつかの特殊部隊が展開しているのをよく見かけます。特徴のある赤い警察車両が目印です。
最後に、一般見学者用のSt Stephen's Entrance。議会の開会中のこの時期はいつも見学者で混雑しています。館内の見学は通常議員の紹介が必要ですが、議会審議の傍聴だけであれば誰でも予約なしで入ることができます(時々入場制限をしていますが)毎週水曜日のPrime Minister's Question Time(日本の国会で言えば党首討論)が一番人気のようで非常に混雑すると聞いていますが、近日中に行ってみようかと思っています。
中央の黒い小屋の中で厳重なセキュリティーチェックが行われます。詳細は書きませんが、空港のセキュリティーチェックより厳しいです。
見学者といっても、本会議を見学する観光客だけでなく、仕事で各委員会を傍聴に来る人も結構いるようです。
St Stephen's Entranceにいたおっさん風の警官。この帽子にこのサングラス、どうも似合いません。アメリカの警察ドラマか何かに影響されたのかもしれません。
現在、下院側の北側歩道は大規模な工事中です。歩道が狭くなっているところを観光客や一般歩行者が大勢通るのでちょっと危険です。
Houses of Parliamentにはここで取り上げたもの以外にも、Black Rod's Garden Entranceなど、いくつかの入り口があります。それぞれ伝統に基づいた専門の役割を持っています。ビッグ・ベンを見るだけでなく、こういった様々な入り口を探検してみるとなかなか面白いものです。
by snb03277
| 2006-05-25 18:43
| ビッグ・ベン