2006年 03月 08日
ロンドンの「日本風」(1)Yo! Sushi |
ロンドンでは、いま「日本風」の店(レストラン・テイクアウト)が流行しています。「日本風」とあえて書くのは、日本食をベースとしているにもかかわらず、何かが違うからです。そんなロンドンの不思議な「日本風」事情について(気が向いたときに)時々書いていきたいと思います。
ロンドン・ヒースロー空港からHeathrow ExpressでPaddington駅に到着すると、まずコンコースの端に見える店、Yo! Sushi。英国で最も有名な回転寿司のチェーンです。
Yo! Sushiはロンドンをはじめ英国各地、さらにパリやドバイなど海外にも展開しています。今回紹介するのは大学の寮から歩いて5分ほどの場所にあるCounty Hall店。Big BenやLondon Eyeからすぐの場所ということもあって週末は混雑しますが、平日昼間は比較的空いています。
Yo Sushi!のシステムは、日本の回転寿司とほぼ同じです。値段によって皿が色分けされています。一番安い皿で1ポンド50(300円)、一番高い皿で5ポンド(1,000円)。日本では最近あまり回転寿司の店に行っていないので(最後に行ったのは数年前)、実勢価格がよく分からないのですが、おそらく日本の1.5~2倍程度の値段ではないかと思います。
店内はこのように回転式のコンベヤーベルトを中心にカウンター席が並んでいます。奥の方にはテーブル席もあります。
Yo! Sushiの寿司メニューは、大きく分けて、nigiri(握り)sashimi(刺身)maki(巻き)に分かれています。カウンターに座るとこんな感じです。目の前でインド系の大将(?)が魚を切っています。シャリ玉は、日本製の寿司ロボットで作っています。
寿司はこのように透明プラスチックのカバーをした状態でぐるぐる回っています。コンベヤーベルトは2レーンになっていて、それぞれ逆方向に回転しています。(日本でこのようなものは見たことありません)考えてみたら、両方向から流れてくるというのは判りにくい気もしますが・・・
醤油、わさび、割り箸、取り皿。このあたりは日本と同じです。
流れてくる寿司に加えて、欲しいネタを注文することもできます。スペシャル品については、後ろの壁のホワイトボード(?)に書いてあります。
寿司です。これは5ポンド(1,000円)の皿です。意外と小さい感じです。
ここで、日本の回転寿司と違う点について紹介します。まず、日本であれば当然無料のお茶(緑茶)はここでは有料(1ポンド)です。(いらない場合は、別に注文しなくても大丈夫です)一方で、日本であればお茶のためのお湯が出てくるところに、給水機があります。普通の水 (still water)と発泡水(sparkling water)が出てきます(これは無料)。
また、Yo! Sushiは日本の回転寿司と違って、寿司メニューのほかにいろいろな「おかず」を注文することができます。たとえば、「照り焼きチキン」「てんぷら」「サラダ」など。今回は、Seven Samurai Scorchers(?)という冬季限定の特別メニューをやっていたので、Chili Chicken Ramen(3ポンド50)というのを頼んでみました。
デザートもあります。日本の回転寿司はゼリーとかプリンだったような気がしますが、ここでは饅頭(?)のようなものが回っていました。
では、最後に「味」について。残念ながらあまり日本人の味覚に合わない、というのが結論です。シャリ玉も、日本製のロボットを使っているに関わらず箸でつまむとボロボロになってしまいますし、ネタもあまり新鮮な感じはしません。マグロも味がありません。あえてマシなものを選ぶとしたらサーモンでしょうか。Chili Chicken Ramenも、日本のラーメンとはとても呼べないようなシロモノです。何年か前にシンガポールのチャンギ空港で食べたシンガポール・ヌードルの麺がのびた感じといったところでしょうか。唯一、お茶は普通の味でした。ロンドン在住の日本人に聞いてみても、残念ながらYo! Sushiは不評のようです。
ここまで読んでいただいた方から「だったら、わざわざ紹介するな!」という指摘もありそうです。しかし、Yo! Sushiが英国で爆発的にヒットしたということについて考えてみる必要があります。元来、食文化というのは変化しながら伝わっていくものです。ラーメンだって、元はといえば中国かもしれませんが、いまや日本独自の文化ですし、カレーライスだって、インドにはありません。東京にあるイタリアンやフレンチも、現地人からすれば「ちょっと・・・」という店も多いのではないかと思います。そういう意味では、たしかにYo! Sushiは日本人の考える寿司からは程遠いものかもしれませんが、もはやYo! Sushiは日本食と言うよりは、英国独自の「日本風」レストランといったほうが正確かもしれません。(そもそもロンドンだけでなく海外では、日本食レストランといっても日本人コミュニティ向けの店と現地住民向けの店と明らかに傾向が違うので、比べることにあまり意味はありません)ひょっとしたら、やがてここからまったく異質のロンドン発の寿司カルチャー(ロンドン巻?)が生まれるかもしれない、そんな気がします。
ロンドン・ヒースロー空港からHeathrow ExpressでPaddington駅に到着すると、まずコンコースの端に見える店、Yo! Sushi。英国で最も有名な回転寿司のチェーンです。
Yo! Sushiはロンドンをはじめ英国各地、さらにパリやドバイなど海外にも展開しています。今回紹介するのは大学の寮から歩いて5分ほどの場所にあるCounty Hall店。Big BenやLondon Eyeからすぐの場所ということもあって週末は混雑しますが、平日昼間は比較的空いています。
Yo Sushi!のシステムは、日本の回転寿司とほぼ同じです。値段によって皿が色分けされています。一番安い皿で1ポンド50(300円)、一番高い皿で5ポンド(1,000円)。日本では最近あまり回転寿司の店に行っていないので(最後に行ったのは数年前)、実勢価格がよく分からないのですが、おそらく日本の1.5~2倍程度の値段ではないかと思います。
店内はこのように回転式のコンベヤーベルトを中心にカウンター席が並んでいます。奥の方にはテーブル席もあります。
Yo! Sushiの寿司メニューは、大きく分けて、nigiri(握り)sashimi(刺身)maki(巻き)に分かれています。カウンターに座るとこんな感じです。目の前でインド系の大将(?)が魚を切っています。シャリ玉は、日本製の寿司ロボットで作っています。
寿司はこのように透明プラスチックのカバーをした状態でぐるぐる回っています。コンベヤーベルトは2レーンになっていて、それぞれ逆方向に回転しています。(日本でこのようなものは見たことありません)考えてみたら、両方向から流れてくるというのは判りにくい気もしますが・・・
醤油、わさび、割り箸、取り皿。このあたりは日本と同じです。
流れてくる寿司に加えて、欲しいネタを注文することもできます。スペシャル品については、後ろの壁のホワイトボード(?)に書いてあります。
寿司です。これは5ポンド(1,000円)の皿です。意外と小さい感じです。
ここで、日本の回転寿司と違う点について紹介します。まず、日本であれば当然無料のお茶(緑茶)はここでは有料(1ポンド)です。(いらない場合は、別に注文しなくても大丈夫です)一方で、日本であればお茶のためのお湯が出てくるところに、給水機があります。普通の水 (still water)と発泡水(sparkling water)が出てきます(これは無料)。
また、Yo! Sushiは日本の回転寿司と違って、寿司メニューのほかにいろいろな「おかず」を注文することができます。たとえば、「照り焼きチキン」「てんぷら」「サラダ」など。今回は、Seven Samurai Scorchers(?)という冬季限定の特別メニューをやっていたので、Chili Chicken Ramen(3ポンド50)というのを頼んでみました。
デザートもあります。日本の回転寿司はゼリーとかプリンだったような気がしますが、ここでは饅頭(?)のようなものが回っていました。
では、最後に「味」について。残念ながらあまり日本人の味覚に合わない、というのが結論です。シャリ玉も、日本製のロボットを使っているに関わらず箸でつまむとボロボロになってしまいますし、ネタもあまり新鮮な感じはしません。マグロも味がありません。あえてマシなものを選ぶとしたらサーモンでしょうか。Chili Chicken Ramenも、日本のラーメンとはとても呼べないようなシロモノです。何年か前にシンガポールのチャンギ空港で食べたシンガポール・ヌードルの麺がのびた感じといったところでしょうか。唯一、お茶は普通の味でした。ロンドン在住の日本人に聞いてみても、残念ながらYo! Sushiは不評のようです。
ここまで読んでいただいた方から「だったら、わざわざ紹介するな!」という指摘もありそうです。しかし、Yo! Sushiが英国で爆発的にヒットしたということについて考えてみる必要があります。元来、食文化というのは変化しながら伝わっていくものです。ラーメンだって、元はといえば中国かもしれませんが、いまや日本独自の文化ですし、カレーライスだって、インドにはありません。東京にあるイタリアンやフレンチも、現地人からすれば「ちょっと・・・」という店も多いのではないかと思います。そういう意味では、たしかにYo! Sushiは日本人の考える寿司からは程遠いものかもしれませんが、もはやYo! Sushiは日本食と言うよりは、英国独自の「日本風」レストランといったほうが正確かもしれません。(そもそもロンドンだけでなく海外では、日本食レストランといっても日本人コミュニティ向けの店と現地住民向けの店と明らかに傾向が違うので、比べることにあまり意味はありません)ひょっとしたら、やがてここからまったく異質のロンドン発の寿司カルチャー(ロンドン巻?)が生まれるかもしれない、そんな気がします。
by snb03277
| 2006-03-08 16:24
| ロンドン生活