2006年 02月 04日
リーディング |
リーディングというのは、まずいくつかの種類に分類されます。具体的には、(1)授業の予習のためのリーディング、(2)エッセイなど課題のためのリーディング、(3)その他のリーディング、に分類できます。一日に勉強できる時間は限られているので、これらをうまく時間配分をして、せっせと読んでいかなければなりません。
さて、リーディングの進め方は人それぞれですが、参考までに私の場合についてもう少し詳しく書きます。
(1)授業の予習のためのリーディング
これは通常、「リーディング・リスト」と呼ばれるものが最初の授業で配布されます。だいぶ前から、授業の内容と文献リストがわかっているので、計画的にこなすことができます。
ところで、留学中の日本人の間では「リーディングが多すぎる」という悲鳴のような声をよく聞きます。これは、このリーディング・リストというのが、一つの授業に対して約10~20の書籍・論文を指定しているからだと思われます。
しかし、リーディング・リストの文献を全て読まなければいけないかというと、私は必ずしもそうとは思いません。Dept. of War Studiesの場合、通常、授業では教科書または主要参考書が指定されていてこれを購入することになるので、まずはそれを読むことから始めます。次に、リーディング・リストのその他の書籍や論文ですが、図書館やJSTOR(論文データベース)などで入手可能なものから読んでいきます(貸し出し中のものはとりあえず無視)。何回か授業を受けているうちに、どの論文(研究者)が重要で、どれが重要ではないかは自然と分かってきます。したがって、あまり興味が無いトピックである場合、1授業につきせいぜいメジャーな書籍・論文を2つ~3つ程度しか読みません。リーディング・リストの書籍・文献をすべて読むことによって、そのトピックについての知識は深まるかもしれませんが、読んだ内容について授業で発言できる回数も限られています。また、仮に期末試験でそのトピックについて解答した場合でも、それほど多くの文献を引用することは求められません。Dept. of War Studiesでは文献を読んだり記憶したりすることよりも、analytical thinkingを磨くというところがポイントとなっているというのもあります。いずれにしても、こればっかりをやっていると、その他のリーディングのための時間がなくなるという弊害もあるので、ほどほどにしています。これに費やす時間は通常、1回の授業につき、5時間程度です。
(2)エッセイなどの課題のためのリーディング
私の場合エッセイに力を入れているので、授業のためのリーディングよりは大変です。まずJSTORやProLibなどのデータベースの検索機能を活用して、関連のある論文のPDFをひたすら集めます。次に、これらにざっと目を通して、必要なものを大学の高速レーザプリンタでプリントします。プリントするのは一つのエッセイにつき、15~20程度(約300ページ)です。さらに、書籍も5~10冊程度、他大学など貸出不可のものは必要箇所をコピーします。メモを取りながらすべて読むだけで50時間~100時間ほどかかります。(上の写真は、論文を10個ほどプリントした様子)エッセイの書き始めの段階では、1日に8~10時間程度かけています。
(3)その他のリーディング
これは上記以外の全ての「読む」作業です。新聞(FT、読売)、雑誌(Economist)、ウェブサイト(BBC、日経)、LexisNexis、RSSフィード(NewYorkTimes、WashingtonPostなど)や、論文執筆のためのリーディングもここに分類されます。「新聞etc.もリーディングか?」という指摘もあるかと思いますが、NYTやEconomistなどはエッセイにも引用することもあり、専攻の関係上殆ど必読に近いのでリーディングということにしておきます。現在のところ、1日に約2~4時間程度です。
by snb03277
| 2006-02-04 00:03
| キングス・カレッジ